ニセ警察詐欺とは?電話・SMS・副業詐欺を防ぐ確認ポイント

防犯・詐欺対策

「警察から、あなたの口座が犯罪に使われていると言われた」「荷物の不在通知がSMSで届いた」「SNSで簡単に稼げる副業を紹介された」。このような連絡を受けたとき、すぐに詐欺だと見抜けるでしょうか。

2026年7月8日放送のNHK総合「あさイチ」では、警察官をかたる電話、SNSを利用した副業詐欺、架空請求のSMSなど、スマートフォンを入り口とする新しい詐欺の手口が紹介されました。

最近の詐欺は、高齢者だけを狙うものではありません。スマートフォン、インターネットバンキング、キャッシュレス決済を日常的に使う現役世代も被害に遭う可能性があります。

犯人は「今すぐ」「誰にも相談しないで」「電話を切らないで」と繰り返し、考える時間を与えないようにします。相手の説明を理解しようとするより、いったん通話や操作を止め、公式の連絡先から確認することが重要です。

この記事では、番組で紹介された内容と警察庁の注意喚起をもとに、ニセ警察詐欺、副業詐欺、SMSによる架空請求の特徴、スマートフォンで送金を求められたときの対応、被害に気づいた後の相談先を整理します。

この記事で分かること

  • ニセ警察詐欺で使われる主な言葉
  • 電話を切れなくなる心理的な仕組み
  • SNS副業詐欺と架空請求SMSの特徴
  • スマートフォンで送金を求められたときの対応
  • 警察・金融機関・消費生活センターへの相談方法

ニセ警察詐欺とは?

ニセ警察詐欺は、警察官、検察官、捜査機関の職員などを名乗り、犯罪捜査を口実に現金や暗号資産を送金させる手口です。

電話では、次のような言葉が使われることがあります。

  • あなたの銀行口座が犯罪に使われている
  • 逮捕された犯人があなたの名前を話している
  • 資金を調査する必要がある
  • 口座のお金を安全な場所へ移動してほしい
  • 捜査中なので家族へ話してはいけない
  • 電話を切ると逮捕される可能性がある

犯人は警察署の代表番号に似せた番号を表示したり、警察手帳や逮捕状のような画像をビデオ通話で見せたりすることがあります。

しかし、画面に表示された電話番号、制服、警察手帳、書類の画像だけで、本物の警察官だと判断することはできません。

警察官が電話やビデオ通話で「資金調査のために送金してほしい」と求めることはありません。

なぜ電話を切れなくなるのか

詐欺被害は、知識がない人だけに起こるものではありません。

突然「あなたは犯罪に関係している」と告げられると、多くの人は強い不安や緊張を感じます。その状態で長時間説明を受け続けると、冷静に情報を確認する余裕がなくなります。

犯人は、被害者が考え直す時間を持たないように、次のような方法を使います。

  • 通話を長時間続ける
  • 複数の人物が警察官や検察官役として登場する
  • 家族や銀行へ相談しないよう指示する
  • 期限や逮捕を示して急がせる
  • 別のアプリやビデオ通話へ誘導する
  • 少しずつ操作を指示して考える時間を奪う

このような電話を受けた場合は、相手を説得したり、話の矛盾を探したりする必要はありません。

「確認してから折り返します」と伝えて電話を切り、自分で調べた警察署の公式番号へ連絡してください。

画面に警察の電話番号が表示されても信用しない

着信画面に警察署や公的機関の電話番号が表示されると、本物だと思ってしまいがちです。

しかし、電話番号を偽装して表示させる手口や、実在する組織に似た名称を使うケースがあります。

着信履歴に表示された番号へそのまま折り返すのではなく、警察庁や都道府県警察の公式サイトで番号を調べて確認しましょう。

緊急の事件ではないものの不安がある場合は、警察相談専用電話の「#9110」へ相談できます。

SNSで広がる副業詐欺

SNSや動画広告では、「スマートフォンだけで高収入」「短時間の作業で毎日稼げる」「画像にいいねを付けるだけ」などと説明する副業募集が表示されることがあります。

すべての副業募集が詐欺というわけではありませんが、仕事を始める前や報酬を受け取る前に、繰り返し金銭を要求される場合は注意が必要です。

最初に少額の報酬を支払う手口

最初の簡単な作業に対して、数百円から数千円程度の報酬を支払い、信用させる場合があります。

その後、「高額案件へ参加するには保証金が必要」「操作を間違えたので追加送金が必要」「出金するには税金や手数料を払う必要がある」などと説明し、高額な支払いを求めます。

最初に報酬が支払われたとしても、事業者や仕事が安全だという証明にはなりません。

副業を始める前に確認したいこと

  • 運営会社の正式名称と所在地が確認できるか
  • 仕事内容と報酬の条件が明確か
  • 仕事をする側が先に高額な費用を払う契約ではないか
  • 連絡手段が個人のSNSやチャットだけではないか
  • 振込先が個人名義や頻繁に変わる口座ではないか
  • 暗号資産での送金を求められていないか

契約前に判断できない場合は、相手へ送金する前に消費者ホットライン「188」へ相談しましょう。

宅配便や未納料金を装うSMS

「荷物を配達しましたが不在でした」「料金の支払いが確認できません」「アカウントを停止します」といったSMSが届くことがあります。

メッセージに記載されたURLを開くと、宅配会社、通信会社、銀行、公的機関に似せた偽サイトへ誘導される場合があります。

偽サイトでは、次の情報を入力させようとします。

  • 氏名・住所・電話番号
  • クレジットカード番号
  • 銀行口座情報
  • インターネットバンキングのIDとパスワード
  • SMSで届く認証コード
  • Apple IDやGoogleアカウント

SMSに記載されたリンクから確認せず、利用している会社の公式アプリや、ブックマークした公式サイトを自分で開いて確認してください。

「3回タップしただけで送金」はどういう意味?

番組では、スマートフォンの画面を数回操作するだけで、送金手続きが進んでしまう事例が紹介されました。

ただし、すべての金融アプリで必ず3回のタップだけで送金が完了するという意味ではありません。

問題なのは、犯人から一つずつ操作を指示されることで、本人が送金操作をしているという意識が薄れたまま、手続きを進めてしまうことです。

次の操作を求められた場合は、その場で中止してください。

  • 銀行アプリや決済アプリを開く
  • 送金先の口座やアドレスを入力する
  • 画面共有アプリをインストールする
  • 認証コードを読み上げる
  • 暗号資産を購入して指定先へ送る
  • 相手の指示どおりにATMを操作する

電話やチャットで指示を受けながら、銀行・決済アプリを操作しないでください。

画面共有アプリや遠隔操作アプリに注意

犯人が「手続きを手伝う」「スマートフォンの問題を確認する」と説明し、画面共有アプリや遠隔操作アプリを入れるよう求めることがあります。

画面共有中は、銀行口座の残高、認証コード、個人情報などを見られる可能性があります。

遠隔操作を許可すると、本人が気づかないうちに設定を変更されたり、別のアプリを操作されたりする危険もあります。

電話やSNSで突然連絡してきた相手の指示で、アプリをインストールしないでください。

国際電話番号からの着信にも注意

「+1」「+44」など、先頭にプラス記号が付いた国際電話番号が、特殊詐欺に利用されるケースがあります。

海外との電話を利用していない場合は、知らない国際番号からの着信へ出たり、折り返したりしないようにしましょう。

固定電話では、国際電話の発着信を無料で休止できる制度があります。高齢の家族がいる家庭では、利用状況に合わせて検討する方法があります。

スマートフォンでは、通信会社の迷惑電話対策サービスや、警察庁が推奨する特殊詐欺対策アプリを活用する方法もあります。

被害を防ぐための基本ルール

電話でお金の話が出たら切る

警察、銀行、市役所、年金事務所、通信会社などを名乗っていても、電話で送金や口座移動を求められた場合は、いったん電話を切ります。

認証コードを誰にも教えない

SMSで届くワンタイムパスワードや認証コードは、本人確認のための重要な情報です。

銀行員や警察官を名乗る相手であっても、電話やチャットで伝えないでください。

「秘密にして」と言われたら相談する

犯人は、家族や金融機関へ相談されることを避けるため、「捜査上の秘密」「口外すると逮捕される」などと説明します。

秘密にするよう求められたときこそ、家族、警察、金融機関へ相談してください。

家族で合言葉を決める

家族を名乗る電話への対策として、普段から合言葉や確認方法を決めておくと役立ちます。

ただし、名前や生年月日など、SNSや書類から知られる可能性のある情報は合言葉に向きません。

高齢の家族を守るためにできること

家族へ「絶対にだまされないで」と伝えるだけでは、十分な対策にならない場合があります。

最近の手口を具体的に共有し、実際に電話が来たときの行動を決めておきましょう。

  • 知らない番号には出ない
  • 留守番電話を常に設定する
  • 電話でお金の話が出たら切る
  • 一人で銀行やATMへ行かない
  • 送金前に必ず家族へ連絡する
  • 国際電話を利用しない場合は停止を検討する
  • 防犯機能付き電話を利用する

詐欺の電話を受けた人を責めると、被害を隠したり相談をためらったりすることがあります。

「おかしいと思ったら、いつでも連絡してよい」と普段から伝えておくことが重要です。

送金してしまった場合の対応

詐欺だと気づいたら、相手とのやり取りを続けず、できるだけ早く金融機関と警察へ連絡してください。

  1. 銀行・カード会社・決済サービスへ連絡する
  2. 振込先口座やカードの利用停止を相談する
  3. 警察へ通報・相談する
  4. SMS、チャット、振込記録を削除せず保存する
  5. パスワードと暗証番号を変更する
  6. 同じパスワードを使う他のサービスも確認する

暗号資産を送ってしまった場合も、利用した交換業者と警察へ速やかに連絡してください。

「取り戻してあげる」と連絡してくる人物が、さらに手数料を要求する二次被害にも注意が必要です。

相談先の使い分け

状況 主な相談先 今まさに送金を求められている 電話を切り、警察または金融機関へ連絡 詐欺かどうか判断できない 警察相談専用電話「#9110」 副業・契約・架空請求の相談 消費者ホットライン「188」 現金やカードを渡してしまった 110番・金融機関・カード会社 不審なアプリを入れた 警察のサイバー相談窓口・通信会社・端末メーカー

現在、犯人が自宅近くにいる、カードや現金を取りに来る予定になっているなど、緊急性が高い場合は110番へ通報してください。

よくある質問

警察から本当に電話が来ることはありますか?

事件や落とし物などについて、警察から電話が来ることはあります。

ただし、資金調査を理由に送金させたり、暗号資産を購入させたり、認証コードを聞いたりすることはありません。不安な場合は電話を切り、警察署の公式番号へ確認してください。

電話番号が警察署と同じなら本物ですか?

番号表示だけで本物とは判断できません。

着信履歴から折り返さず、公式サイトで確認した番号へ自分からかけ直してください。

最初に副業報酬を受け取ったので安全ですか?

安全とは限りません。

信用させるために最初だけ少額を支払い、その後に高額な保証金や手数料を要求するケースがあります。

SMSのリンクを開いただけなら大丈夫ですか?

開いただけで必ず被害が発生するとは限りません。

ただし、個人情報を入力した、アプリをインストールした、パスワードを入力した場合は、サービス提供会社へ連絡し、パスワード変更や利用停止を行ってください。

詐欺かもしれませんが、恥ずかしくて相談できません

詐欺は、被害者を焦らせ、相談できない状況へ追い込むよう設計されています。

早く相談するほど、送金停止やアカウント保護につながる可能性があります。自分を責めず、警察や金融機関へ連絡してください。

まとめ

2026年7月8日放送の「あさイチ」では、ニセ警察詐欺、SNS副業詐欺、架空請求SMS、スマートフォンを使った送金被害などが紹介されました。

共通しているのは、「今すぐ対応しなければならない」と思わせ、家族や公的機関へ確認する時間を与えないことです。

警察や公的機関を名乗る電話でも、お金や口座の話が出たらいったん切り、公式サイトで確認した番号へ自分から連絡してください。

SMSに記載されたリンクを開かず、金融アプリや決済アプリは、電話やチャットで指示を受けながら操作しないことが大切です。

送金してしまった場合は、証拠を削除せず、金融機関、警察、カード会社などへ速やかに連絡しましょう。

参考情報

本記事は、NHK「あさイチ」で紹介された内容と、警察庁などが公開している情報をもとに、電話・SMS・SNSを利用した詐欺への対策を独自に整理したものです。

詐欺の手口は変化し続けています。不審な電話やメッセージを受けた場合は、相手が示した連絡先ではなく、警察や金融機関の公式窓口へご確認ください。

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