夏になると、家の中にいたはずなのに蚊に刺されていたり、同じ場所にいたのに自分だけ何か所も刺されたりすることがあります。
「O型は蚊に刺されやすい」「黒い服を着ると狙われる」「お酒を飲むと蚊が寄ってくる」といった話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
2026年7月7日放送のNHK「あさイチ」では、「今日から変わる!?蚊の対策 ウソ・ホント検証SP」として、蚊に刺されやすい人の特徴、服の色との関係、家への侵入を減らす方法、虫よけ剤の正しい使い方などが紹介されました。
ただし、蚊に刺されやすいかどうかは、血液型や服の色だけで決まるものではありません。体温、呼気に含まれる二酸化炭素、汗、皮膚のにおい、服装、周囲にいる蚊の数など、複数の条件が関係します。
この記事では、番組で紹介された内容と公的機関の情報をもとに、蚊対策に関するよくある疑問を整理し、屋外と室内で実践しやすい予防方法を紹介します。
この記事で分かること
- 血液型によって刺されやすさが変わるのか
- 黒い服や飲酒が蚊へ与える影響
- 家の中へ蚊が入ってくる主な経路
- 虫よけスプレーをむらなく使う方法
- ワンプッシュ式蚊取りを使う際の注意点
- 蚊に刺された後の基本的な対処法
蚊はどのように人を見つける?

蚊は一つの情報だけで吸血する相手を見つけているわけではありません。
人が吐く息に含まれる二酸化炭素、体温、汗や皮膚から出るにおい、周囲との色の違いなどを手がかりにして、人へ近づくと考えられています。
そのため、運動後で呼吸が速くなっているとき、汗をかいているとき、体温が上がっているときなどは、蚊に見つかりやすくなる可能性があります。
ただし、同じ条件でも刺される人と刺されにくい人がいるため、「この条件に当てはまれば必ず刺される」と断定することはできません。
O型は蚊に刺されやすい?
「O型の人は蚊に刺されやすい」という説は、長く知られている蚊に関する話の一つです。
一部の研究では、O型の人へ蚊が近づく傾向が示された例があります。しかし、血液型と刺されやすさの関係については研究条件が限られており、血液型だけで結果を説明することはできません。
蚊は、実際に血を吸う前から相手の血液型を直接確認しているわけではありません。体温、汗、皮膚表面の物質など、血液型以外の要素も関係している可能性があります。
そのため、O型ではないから虫よけ対策が不要ということではなく、すべての血液型の人が同じように対策することが大切です。
黒い服を着ると蚊が寄ってくる?
蚊は二酸化炭素などを手がかりに人へ近づいた後、黒や紺などの濃い色を目印にする傾向があるとされています。
そのため、蚊が多い草むらや公園などで長時間過ごす場合は、白、ベージュ、薄いグレーなど、比較的明るい色の服を選ぶことが対策の一つになります。
ただし、明るい色の服を着れば絶対に刺されないわけではありません。
半袖や短パンで肌が広く露出していれば、明るい色でも刺される可能性があります。蚊が多い場所では、薄手の長袖、長ズボン、靴下などを組み合わせて肌の露出を減らしましょう。
日焼けした肌は蚊に見つかりやすい?
日焼けによって肌の色が濃くなると、周囲との明暗差によって蚊の視覚に捉えられやすくなる可能性が指摘されることがあります。
しかし、日焼けしたことだけで刺されやすさが決まるわけではありません。
肌の色よりも、露出している部分が多いことや、汗をかいたまま屋外で過ごすことなど、ほかの条件も大きく関係します。
日焼けの有無にかかわらず、長袖や虫よけ剤を利用して対策することが現実的です。
お酒を飲むと蚊に刺されやすくなる?
飲酒後は、体温、呼吸、皮膚表面の状態などが変化することがあります。
こうした変化が、蚊に見つかりやすくなる要因の一つになる可能性はありますが、飲酒をした人が必ず刺されるという意味ではありません。
夏の屋外で飲酒する場合は、虫よけ剤を使用するだけでなく、アルコールとは別に水分を取り、長時間暑い場所で過ごさないようにしましょう。
飲酒後はかゆみや腫れへの注意が散漫になり、無意識に患部をかき壊すこともあります。
汗をかくと蚊に刺されやすい?
汗や皮膚から出るにおいは、蚊が人を探す手がかりの一つになると考えられています。
運動後、庭仕事、キャンプ、夏祭りなどで汗をかいた状態では、刺されやすくなる可能性があります。
屋外活動の前に虫よけ剤を使用し、汗を大量にかいた後やタオルで肌を拭いた後は、製品の表示を確認して塗り直しましょう。
ただし、必要以上に頻繁に使用するのではなく、対象年齢、使用回数、効果持続時間など、製品ごとの説明に従ってください。
家の中に蚊が入る主な経路
窓を閉めているつもりでも、蚊が室内へ入っていることがあります。
主な侵入経路として、次のような場所が考えられます。
- 玄関ドアを開けたとき
- 窓と網戸の隙間
- 網戸の破れ
- ベランダへの出入り
- 洗濯物や衣服に付いて入る
- 人と一緒に室内へ入る
玄関やベランダの扉を長時間開けたままにせず、出入りはできるだけ短時間で済ませましょう。
帰宅時に蚊が衣服の近くを飛んでいないか確認し、洗濯物を取り込むときも軽く払うと侵入を減らしやすくなります。
網戸を閉めているのに蚊が入る理由
網に小さな穴が開いている
網戸は長期間使用すると、網が破れたり、枠から外れたりすることがあります。
小さな破れでも虫の侵入口になる可能性があるため、明るい時間に網全体を確認しましょう。
小さな穴であれば網戸用補修シートを利用できますが、劣化が広がっている場合は張り替えを検討します。
網戸とサッシの間に隙間がある
網戸の端には、虫の侵入を抑えるための毛状の部品が付いていることがあります。
この部品がすり減ったり、網戸の位置がずれたりすると、サッシとの間に隙間が生じる場合があります。
網戸が傾いている、動かすと外れそうになる、閉めても隙間が見える場合は、戸車や部品の調整が必要な可能性があります。
窓の開け方によって隙間ができる
引き違い窓では、窓と網戸の位置関係によって、完全に閉じているように見えても隙間ができることがあります。
窓の構造は住宅によって異なるため、網戸と窓枠が重なり、隙間が生じていないか実際に確認してください。
網戸を使用するときも、窓を中途半端な位置で止めたままにしないほうが安全です。
家の周りの水たまりを減らす
蚊の発生を減らすためには、家へ入ってきた成虫だけでなく、幼虫が育つ場所を減らすことも重要です。
蚊の種類によっては、わずかな水たまりでも卵を産むことがあります。
庭やベランダでは、次の場所を定期的に確認しましょう。
- 植木鉢の受け皿
- 空のバケツやじょうろ
- 放置した空き缶や容器
- ビニールシートのくぼみ
- 詰まった雨どい
- 屋外の排水口
- 子どものおもちゃ
- ペット用容器
水をためて使う容器は、定期的に水を交換し、容器の内側も洗いましょう。
10円玉を入れるだけで、蚊の発生を確実に防げるとは限りません。水を捨てる、容器を伏せる、清掃するといった基本的な対策を優先してください。
虫よけ剤の有効成分を確認する
肌へ使用する虫よけ剤には、ディートやイカリジンなどを有効成分とする製品があります。
同じようなスプレー容器でも、肌へ使用する虫よけ剤と、空間や虫へ使用する殺虫剤は別の製品です。
購入時には、対象となる虫、有効成分、使用できる年齢、使用部位を確認しましょう。
ディート
ディートは、長く使用されている虫よけ成分です。
製品の濃度や対象年齢によって、使用できる回数が異なる場合があります。特に小さな子どもへ使用するときは、保護者が説明書を確認して塗布してください。
イカリジン
イカリジンを有効成分とする虫よけ剤も販売されています。
製品ごとに対象となる虫や濃度が異なるため、成分名だけで選ばず、パッケージに記載された適用害虫と用法を確認しましょう。
虫よけスプレーの正しい使い方
肌へむらなく塗り広げる
虫よけ剤は、肌の一部へ少量付着しているだけでは、塗られていない場所を刺されることがあります。
腕や脚へスプレーした後は、必要に応じて手のひらでむらなく塗り広げましょう。
傷、湿疹、炎症がある部分には使用しないでください。
顔へ直接スプレーしない
顔や首の近くへ使用する場合は、目や口へ入らないよう注意が必要です。
製品の説明に従い、いったん大人の手に取ってから、目と口の周囲を避けて薄く塗り広げましょう。
子どもが自分で顔や手へスプレーすると、目や口に入る可能性があります。保護者が使用してください。
日焼け止めの後に使用する
日焼け止めと虫よけ剤を併用する場合は、一般に日焼け止めを先に塗り、その後に虫よけ剤を使用する方法があります。
ただし、使用する製品に個別の案内がある場合は、その説明を優先してください。
汗をかいた後は表示に従って塗り直す
汗をかいたり、タオルで拭いたり、水遊びをしたりすると、虫よけ剤が落ちる可能性があります。
塗り直す際は、製品に記載された効果持続時間や使用回数を確認してください。
短時間で何度も重ね塗りする必要があるとは限りません。
子どもへ虫よけ剤を使う際の注意点

子どもへ使用するときは、年齢制限と使用回数を必ず確認してください。
特にディートを含む製品には、年齢によって使用回数が定められているものがあります。
- 子ども自身にスプレーさせない
- 保護者の手で必要な部分へ塗る
- 顔や手のひらを避ける
- 傷や湿疹がある部分へ使わない
- 使用後は手を洗う
- 帰宅後は石けんなどで洗い流す
赤み、かゆみ、痛みなどが出た場合は使用を中止し、製品表示に従って洗い流してください。
ワンプッシュ式蚊取りの注意点
室内へ一回噴射して使用するワンプッシュ式蚊取りは、少ない操作で薬剤を部屋へ広げる製品です。
便利な一方で、肌に使用する虫よけスプレーではありません。
使用するときは、次の点を確認しましょう。
- 対応する部屋の広さ
- 一回当たりの噴射回数
- 使用できる間隔
- 噴射する方向
- 子どもやペットに関する注意
- 食品や食器の近くで使えるか
- 換気に関する表示
顔へ向けて噴射したり、製品を逆さにしたまま使用したりしないでください。
小さな子どもの手が届かない場所へ保管し、誤噴射防止ロックがある製品は、使用後にロックをかけましょう。
人体用の虫よけ剤と室内用殺虫剤を同じ場所へ保管すると、取り違える可能性があります。容器と用途を確認し、保管場所を分けましょう。
蚊取り線香を使うときの注意点
蚊取り線香は、火を使って薬剤を揮散させる製品です。
使用時は、燃えやすいカーテン、紙、布団、家具などから離し、安定した専用の容器を使いましょう。
就寝中や人がいない場所での使用は、製品の注意表示を確認してください。
煙やにおいで咳、頭痛、目の刺激などを感じる場合は使用を中止し、換気を行いましょう。
乳幼児、呼吸器の病気がある方、ペットがいる家庭では、使用環境に合うか製品表示を確認してください。
超音波式の虫よけグッズは効果がある?
超音波を利用して蚊を遠ざけると説明する商品もあります。
しかし、蚊に対する効果を十分に裏付ける情報が確認しにくい製品もあり、超音波だけを主な対策にするのはおすすめできません。
網戸の点検、肌の露出を減らす、承認された虫よけ剤を使う、水たまりをなくすといった対策を優先しましょう。
蚊に刺された後の基本的な対処
患部を清潔にする
汗や汚れが付いている場合は、強くこすらず水などでやさしく洗います。
かゆい部分を冷やす
冷たいタオルなどを患部へ当てると、かゆみや熱感が和らぐ場合があります。
保冷剤を使う場合は布で包み、皮膚へ長時間直接当てないでください。
かき壊さない
強くかき続けると、皮膚が傷ついて細菌感染を起こしたり、傷跡が残ったりすることがあります。
爪を短く整え、子どもの場合は患部を衣服やガーゼで覆う方法もあります。
市販のかゆみ止めを使う
市販薬を使用する場合は、対象年齢、使用部位、使用回数を確認してください。
顔、目の周囲、広い範囲、傷のある場所などには使えない製品があります。
医療機関へ相談したほうがよい症状
一般的な蚊刺されでは、時間とともにかゆみや腫れが落ち着くことが多いですが、症状には個人差があります。
次のような状態がある場合は、皮膚科や小児科などへ相談してください。
- 腫れが広い範囲へ広がっている
- 強い痛みや熱感がある
- 水ぶくれができている
- 傷から膿が出ている
- 発熱や強いだるさを伴う
- 数日たっても悪化している
- 目や口の周囲を刺されて大きく腫れている
息苦しさ、全身のじんましん、唇や喉の腫れ、意識が遠くなる症状がある場合は、重いアレルギー反応の可能性があります。速やかに救急要請を検討してください。
夏の蚊対策チェックリスト
- 蚊が多い場所では長袖・長ズボンを着る
- 明るい色の服を選ぶ
- 肌の露出部分へ虫よけ剤をむらなく塗る
- 汗をかいた後は製品表示に従って塗り直す
- 玄関やベランダを開けたままにしない
- 網戸の穴と隙間を確認する
- 植木鉢の受け皿やバケツの水を捨てる
- 室内用殺虫剤は説明書どおり使用する
- 子どもの手が届かない場所へ保管する
- 刺された後はかき壊さない
よくある質問

O型の人は本当に刺されやすいですか?
一部の研究では傾向が示されていますが、血液型だけで刺されやすさが決まるわけではありません。
体温、汗、呼吸、服装、周囲の環境など複数の条件が関係します。
黒い服は着ないほうがよいですか?
蚊が多い場所では、明るい色の服を選ぶことが対策の一つになります。
ただし、服の色だけで刺されるかどうかは決まらないため、長袖や虫よけ剤も併用しましょう。
虫よけスプレーは何時間効果がありますか?
有効成分の種類や濃度、製品によって異なります。
パッケージに記載された効果持続時間を確認し、汗をかいた場合などは説明に従って塗り直してください。
日焼け止めと虫よけはどちらを先に塗りますか?
一般には日焼け止めを先に塗り、虫よけ剤を後から使用します。
製品に個別の使用方法が記載されている場合は、その説明を優先してください。
エアコンを使っていれば蚊は入ってきませんか?
エアコンを使用していても、玄関や窓の開閉時に蚊が入る可能性があります。
冷房だけに頼らず、網戸、扉の開閉、水たまり対策などを組み合わせましょう。
10円玉を水へ入れるとボウフラを防げますか?
10円玉を入れるだけで、すべての蚊の発生を防げるとは限りません。
容器の水を捨て、定期的に洗浄する方法を優先してください。
超音波式の虫よけだけで十分ですか?
十分な対策になるとは限りません。
肌を覆う、虫よけ剤を使用する、網戸を点検する、水たまりを減らすといった基本的な対策を組み合わせましょう。
まとめ
2026年7月7日放送の「あさイチ」では、血液型や服の色と蚊の関係、室内への侵入経路、虫よけ剤の正しい使い方などが紹介されました。
血液型や黒い服は刺されやすさに関係する可能性がありますが、一つの条件だけで決まるわけではありません。
蚊の多い場所では、肌の露出を減らし、明るい色の服を選び、承認された虫よけ剤をむらなく使用することが基本です。
家庭では、網戸の穴やサッシとの隙間を確認し、玄関や窓を長時間開けたままにしないようにしましょう。
さらに、植木鉢の受け皿や屋外容器にたまった水を定期的に捨てることで、家の周囲で蚊が増える原因を減らせます。
ワンプッシュ式蚊取りや蚊取り線香などは、製品ごとに使用方法が異なります。人体用の虫よけ剤と取り違えず、部屋の広さ、使用回数、子どもやペットへの注意事項を確認してください。
参考情報
- 厚生労働省「蚊媒介感染症」
- 厚生労働省「蚊媒介感染症の診療ガイドライン」
- 厚生労働省「人体に使用される忌避剤の表示について」
- 消費者庁「虫除けスプレーや殺虫剤の事故に注意」
- 東京都北区「蚊の発生防止対策」
本記事は、NHK「あさイチ」で紹介された内容と、厚生労働省、消費者庁、自治体などが公開している情報をもとに、家庭で実践しやすい蚊対策を独自に整理したものです。
虫よけ剤や殺虫剤の使用方法は製品によって異なります。実際に使用する際は、対象年齢、使用量、使用回数、使用場所など、製品に記載された説明を優先してください。
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