日差しが強くなる季節、毎朝きちんと日焼け止めを使っているのに、気づくと肌が焼けていたという経験はありませんか。
日焼け止めは、SPFやPAの数字が高い商品を選ぶだけでは十分ではありません。塗る量が少なかったり、顔の一部に塗り残しがあったりすると、パッケージに表示されている紫外線防止効果を十分に発揮できないことがあります。
2025年4月2日放送のNHK「あさイチ」では、皮膚科医の吉木伸子さんが、日焼け止めの適切な量や塗り方、塗り残しやすい場所などを紹介しました。
この記事では、番組で紹介された内容を中心に、日本皮膚科学会や日本化粧品工業会が公開している情報も参考にしながら、顔・首・体への正しい塗り方、塗り直しのタイミング、商品選びのポイントを分かりやすく整理します。
この記事で分かること
- 日焼け止めを顔に塗る量の目安
- 塗りムラを減らす塗り方
- SPFとPAの基本的な意味
- 塗り忘れやすい部位
- メイクの上から塗り直す方法
- 敏感肌の方が商品を選ぶ際の注意点
日焼け止めは「量」が足りないと効果を発揮しにくい

日焼け止めを使う際に、まず意識したいのが塗る量です。
肌が白くなる、べたつく、メイクが崩れやすくなるといった理由から、少量を薄く伸ばしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、SPFやPAは、一定量の日焼け止めを肌に塗った状態で測定されています。実際に使う量が試験時より少なければ、表示されている数値どおりの紫外線防止効果を得にくくなります。
日本皮膚科学会では、クリーム状の日焼け止めを顔へ使用する場合、真珠の玉2個分程度を全体に伸ばす方法を目安の一つとして紹介しています。
ただし、必要量は商品の形状、容器、顔の大きさ、使用部位などによって異なります。実際に使う際は、商品パッケージや説明書に記載された使用量を優先してください。
注意したいポイント
「500円玉1個分」「パール2個分」などの表現は、すべての商品に共通する絶対的な量ではありません。乳液、ジェル、クリーム、スティックなど、製品の形状によって目安が異なります。
顔の日焼け止めをムラなく塗る方法
必要な量を一度に顔へ置くと、厚く感じたり白浮きしたりする場合があります。そのようなときは、使用量を減らすのではなく、2回に分けて重ねると均一に塗りやすくなります。
基本的な塗り方
- 洗顔後、化粧水や乳液などで肌を整えます。
- スキンケアが肌になじんでから日焼け止めを取ります。
- 額、両頬、鼻、あごなどに少量ずつ置きます。
- 顔の中心から外側へ向かって、やさしく広げます。
- 同じ量をもう一度取り、重ねて塗ります。
- 髪の生え際やフェイスラインまで確認します。
強くこすると肌への刺激になったり、最初に塗った部分が取れたりすることがあります。力を入れて擦り込むのではなく、肌の上へ均一な膜を作るイメージで広げましょう。
一度に大量に塗るより2回に分ける
一度に多く塗ると、塗り広げる途中で特定の場所へ偏ったり、白い筋が残ったりすることがあります。
1回目を顔全体に薄く広げ、少しなじんでから2回目を重ねると、塗り残しやムラを減らしやすくなります。
特に頬骨の高い部分、鼻、額など、日光を受けやすい場所は、最後に少量を追加してもよいでしょう。
塗り残しが起こりやすい場所
顔の中央は丁寧に塗っていても、輪郭や細かい部分は塗り忘れやすいものです。
日焼け止めを塗った後は、鏡を見ながら次の場所を確認しましょう。
- 髪の生え際
- 眉間や眉の周辺
- 小鼻の横
- 目の下やこめかみ
- フェイスライン
- 耳の前後や耳たぶ
- あごの下
- 首の前側と後ろ側
- デコルテ
日本皮膚科学会も、顔だけでなく、うなじ、耳、胸元、首、手の甲などを忘れやすい部位として挙げています。
目の周りは無理に際まで塗らない
目元は皮膚が薄く、日焼け止めの成分やアルコール、香料などが刺激になる場合があります。
目に入るとしみることもあるため、まつ毛の生え際まで無理に塗り込まず、目に入らない範囲でやさしく塗りましょう。
刺激を感じやすい方は、顔用、敏感肌用、アルコールフリー、紫外線吸収剤不使用などの表示を確認する方法があります。
首・腕・脚など体への塗り方
腕や脚などの広い部分は、手のひらに取ってから塗ると、途中で量が減り、薄くなりやすいことがあります。
容器から肌へ線を描くように直接出し、手のひら全体を使って大きく円を描きながら伸ばすと、塗りムラを減らしやすくなります。
体で忘れやすい場所
- 首の後ろ
- 肩
- 二の腕の外側
- ひじ
- 手の甲や指
- ひざ
- 足の甲
- サンダルの隙間から見える部分
衣類との境目は日焼けしやすいため、袖口や襟元、サンダルの端より少し広い範囲まで塗っておきましょう。
SPFとPAの違い
日焼け止めには、一般的に「SPF」と「PA」が表示されています。
SPFとは
SPFは、主に肌の赤みや炎症につながるUVBを防ぐ効果の指標です。
数値が大きいほどUVBを防ぐ効果が高いことを示しますが、塗ってから何時間安全かを単純に表す数字ではありません。
汗、皮脂、水、衣類やタオルとの摩擦で日焼け止めが落ちれば、防止効果も低下します。
PAとは
PAは、肌の奥まで届き、しわやたるみなどの光老化にも関係するとされるUVAを防ぐ効果の指標です。
「PA+」から「PA++++」までの段階で表示され、+の数が多いほどUVAを防ぐ効果が高いことを示します。
SPF50を毎日使うべき?生活に合わせた選び方
SPFやPAは、高ければ高いほどすべての場面で優れているというわけではありません。
通勤や買い物などの日常生活と、海や山、スポーツなど長時間屋外で過ごす場合では、必要となる紫外線防止性能が異なります。
日常生活
短時間の買い物、通勤、洗濯物を干すといった日常生活では、使用感や肌との相性を重視し、毎日十分な量を塗り続けられる商品を選ぶことが大切です。
屋外レジャーやスポーツ
海、プール、山、屋外スポーツなどでは、SPFやPAの高い商品や、UV耐水性が表示された商品が選択肢になります。
ただし、ウォータープルーフやUV耐水性の表示があっても、汗やタオルによる摩擦などで落ちることがあります。塗り直しが不要になるわけではありません。
同じSPF・PAの商品では、UV耐水性表示の有無によって基本的な紫外線防止性能が高くなるわけではなく、水に触れた後の効果の保ちやすさが異なります。
日焼け止めはいつ塗る?スキンケアとメイクの順番
基本的には、朝のスキンケアを終えた後、化粧下地やファンデーションの前に日焼け止めを使用します。
- 洗顔
- 化粧水
- 乳液やクリーム
- 日焼け止め
- 化粧下地
- ファンデーション
日焼け止めと化粧下地の機能を兼ねた商品を使用する場合は、商品の説明に従ってください。
スキンケア直後で肌が濡れている状態に重ねると、日焼け止めが均一に密着しにくくなることがあります。乳液やクリームがなじんでから塗りましょう。
外出の30分前に塗らないと意味がない?
日焼け止めは、肌へ均一に塗れていれば、塗った直後から紫外線を防ぐ働きが期待できます。
ただし、外出直前に慌てて塗ると、髪の生え際や首などを塗り忘れたり、衣類やマスクで擦れて取れたりすることがあります。
時間に余裕を持ち、外出前にムラなく塗り終えることが大切です。
塗り直しは2~3時間ごとが一つの目安
日焼け止めは、朝に一度塗れば一日中同じ状態が続くわけではありません。
日本化粧品工業会では、少なくとも2~3時間おきを目安に、状況を見ながら塗り直すことを案内しています。
ただし、必ず時計どおりに塗り直すという意味ではありません。次のような場合は、時間が短くても塗り直しましょう。
- 大量に汗をかいた後
- 泳いだ後
- タオルで肌を拭いた後
- マスクや衣類で強く擦れた後
- 手洗い後の手の甲
メイクの上から塗り直す方法
メイクをしている場合、朝と同じようにクリーム状の日焼け止めを塗り直すと、ファンデーションが崩れやすくなります。
外出先では、次のような方法があります。
- 汗や皮脂をティッシュで軽く押さえます。
- 擦らずに、崩れた部分だけを整えます。
- 日焼け止めを少量ずつ置き、スポンジなどで軽く押さえます。
- 必要に応じてUV機能のあるファンデーションやパウダーを重ねます。
スティック、クッション、パウダー、ミストなど、メイクの上から使いやすい商品もあります。
ただし、パウダーやスプレーを軽く一度使用しただけでは、クリームや乳液タイプと同じ使用量を確保しにくい場合があります。商品ごとの使用方法を確認し、塗りムラができないようにしましょう。
スプレータイプの注意点
スプレータイプは背中や髪などに使いやすい一方で、塗布量が分かりにくく、風によって飛び散ることがあります。
顔へ使用する場合は、直接吹きかけるのではなく、一度手に取ってからなじませるよう指定されている商品もあります。
吸い込んだり目に入ったりしないよう、必ず製品表示に従って使用してください。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違い
日焼け止めに使われる主な紫外線防止成分には、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があります。
紫外線吸収剤
紫外線のエネルギーを吸収し、別のエネルギーへ変換することで肌を守る成分です。
透明で伸びがよく、白浮きしにくい商品に使われることが多い一方、まれにかゆみや赤みなどの刺激を感じる方もいます。
紫外線散乱剤
酸化チタンや酸化亜鉛などによって、紫外線を反射・散乱させる成分です。
「ノンケミカル」や「紫外線吸収剤不使用」と表示されることがあります。敏感肌向けの商品で使われることもありますが、すべての人に刺激が起こらないという意味ではありません。
紫外線吸収剤入りかどうかだけで判断せず、実際の使用感や成分、肌との相性を確認しましょう。
敏感肌・子どもに使う際の注意点
敏感肌の方や、過去に化粧品でかぶれた経験がある方は、顔全体へ使う前に腕の内側など狭い範囲で試す方法があります。
赤み、かゆみ、腫れ、ひりつきなどが出た場合は使用を中止し、症状が続く場合は皮膚科へ相談してください。
子どもへ使用する場合は、対象年齢や使用できる部位を確認し、子ども用や低刺激性の商品を選びます。
目や口の周り、傷、湿疹、強い炎症がある部分への使用については、製品の説明や医師の指示を優先してください。
日焼け止めだけに頼らない紫外線対策
日焼け止めは紫外線対策の一つですが、完全に紫外線を遮断できるものではありません。
日本皮膚科学会では、帽子、日傘、長袖、長ズボンなどで皮膚へ届く紫外線を減らし、日焼け止めを組み合わせることを勧めています。
- つばの広い帽子を使う
- 日傘を使用する
- UVカット機能のある衣類を選ぶ
- サングラスを使用する
- 日陰を選んで歩く
- 紫外線が強い時間帯の長時間外出を避ける
汗や摩擦で落ちることを考えると、日焼け止めだけで対策するより、衣類や日傘などを併用するほうが負担を減らしやすくなります。
日焼け止めの落とし方
日焼け止めを落とさずに寝ると、皮脂や汗、ほこりなどと混ざり、肌への負担になることがあります。
石けんで落とせる商品、洗顔料で落とせる商品、クレンジングが必要な商品など、落とし方は製品によって異なります。
必要以上に強くこすらず、パッケージに記載された方法で丁寧に洗い流しましょう。
ウォータープルーフタイプなど落ちにくい製品は、専用クレンジングが必要になる場合があります。
去年の日焼け止めは使ってもよい?
未開封の化粧品には使用期限が表示されていないものもありますが、開封後は空気、手指、水分、温度変化などの影響を受けます。
前年に開封した日焼け止めを使う場合は、保管状態や製品表示を確認してください。
次のような変化がある場合は使用を控えましょう。
- においが以前と違う
- 色が変わっている
- 中身が分離して戻らない
- 粒や固まりがある
- 容器が膨らんでいる
- 肌につけると刺激を感じる
高温になる車内や直射日光の当たる場所に置かれていた製品は、品質が変化している可能性があります。
よくある質問

日焼け止めと化粧下地のSPFは足し算できますか?
足し算はできません。SPF15の日焼け止めとSPF25のファンデーションを重ねても、SPF40になるわけではありません。
重ねることで塗りムラを補える可能性はありますが、それぞれの商品を適切な量で使用することが大切です。
曇りの日や室内でも日焼け止めは必要ですか?
曇りの日でも紫外線は地上へ届いています。また、UVAは窓ガラスを通過する場合があります。
窓際で長時間過ごす場合や、外出する予定がある場合は、生活環境に合わせて紫外線対策を検討しましょう。
日焼け止めを塗るとビタミンDが不足しますか?
日焼け止めの使用だけで、すべての人が直ちにビタミンD不足になるとは限りません。
ビタミンDの状態は、食事、屋外活動、年齢、季節、生活環境などにも左右されます。過度な日光浴で補おうとせず、心配な方は医師へ相談してください。
SPF50なら塗り直さなくても大丈夫ですか?
SPFが高い商品でも、汗、水、摩擦によって落ちるため塗り直しは必要です。
数値の高さだけで判断せず、十分な量を均一に塗り、状況に応じて塗り直しましょう。
日焼け止めでかぶれた場合はどうすればよいですか?
使用を中止し、肌に残っている製品をやさしく洗い流してください。
赤み、腫れ、強いかゆみ、水ぶくれなどがある場合や、症状が改善しない場合は皮膚科へ相談しましょう。使用した商品の容器や成分表示を持参すると、診察の参考になることがあります。
まとめ|十分な量をムラなく塗り、状況に応じて塗り直そう
「あさイチ」では、日焼け止めの紫外線防止効果を十分に発揮するためには、商品選びだけでなく、塗る量と塗り方が重要だと紹介されました。
少量を薄く伸ばすだけでは、表示されているSPFやPAどおりの効果を得にくくなります。商品に記載された量を確認し、一度で塗りにくい場合は2回に分けて重ねましょう。
髪の生え際、フェイスライン、耳、首、手の甲などは塗り忘れやすい場所です。顔の中心だけでなく、輪郭や衣類との境目まで確認してください。
また、朝に一度塗るだけでは、汗や摩擦で落ちてしまいます。2~3時間を一つの目安としながら、汗を拭いた後や水に入った後などは早めに塗り直しましょう。
日焼け止めだけに頼らず、帽子、日傘、衣類、日陰なども組み合わせることが、無理なく続けやすい紫外線対策につながります。
記事に関する注意事項
本記事は、NHK「あさイチ」で紹介された内容と、日本皮膚科学会、日本化粧品工業会などが公開している一般的な情報を参考に構成しています。
特定の商品による効果や安全性を保証するものではありません。使用量や使用方法、対象年齢、落とし方については、実際に使用する商品の表示を優先してください。
赤み、かゆみ、腫れ、痛みなどの肌トラブルが現れた場合は使用を中止し、必要に応じて皮膚科へご相談ください。
参考情報
- 日本皮膚科学会「光線防御のポイントは?」
- 日本皮膚科学会「サンスクリーン剤の成分は?」
- 日本皮膚科学会「サンスクリーン剤の使い方」
- 日本化粧品工業会「紫外線防止の基本」
- 日本化粧品工業会「化粧品Q&A」
※番組内容や公的情報は記事作成時点のものです。最新情報については、各公式サイトや使用する商品の表示をご確認ください。
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夏の屋外レジャーを計画している方は、日焼け止めや帽子などの準備とあわせて、奥日光を巡る際の服装と注意点も確認しておきましょう。

