「ちゃんと水を飲んでいるのに、なんだか体がだるい」「頭が重い気がする」——夏になると、そんな不調を感じる方は少なくないのではないでしょうか。実はその不調、自覚のないまま進行する「かくれ脱水」が関係しているといわれています。
「かくれ脱水」は、以前からNHK『あさイチ』などの情報番組でもたびたび取り上げられてきたテーマです。番組では、「のどが渇いてからでは水分補給が遅れる場合があること」や、「汗で失われる水分だけでなく電解質にも注意が必要であること」などが、専門家の解説を交えながら紹介されていました。
今回は、なぜ水を飲んでいても脱水が起こるのか、塩分補給が必要になるタイミング、高齢者や室内での注意点、そして正しい水分の摂り方について、番組内容に加え、環境省や医療機関などが公開している一般的な情報も参考にしながらわかりやすくまとめました。なお、本記事は健康に関する一般的な情報を紹介するものであり、特定の効果や治療を保証するものではありません。
1. 水を飲んでいるのに脱水になる理由

「かくれ脱水」とは、脱水症になる一歩手前の状態で、体に必要な水分が減っているにもかかわらず、のどの渇きなどの自覚症状がはっきり出ていない状態を指すとされています。人間の体は成人でおよそ60%が水分でできているといわれ、呼吸や汗、排泄などを通じて、特に何もしていなくても1日に2〜2.5リットル程度の水分が失われているとされています。
夏場は汗の量が増えるぶん、体からの水分の出入りも激しくなります。のどの渇きを感じたときには、すでに体重の1〜2%程度の水分が失われている場合もあるといわれており、「渇きを感じてから飲む」という習慣だと、対応が一歩遅れてしまう可能性があるとされています。
2. 汗と一緒に失われる「電解質」の役割
夏の水分不足でもうひとつ見落とされがちなのが、汗と一緒に流れ出る塩分(電解質)です。汗にはナトリウムなどの電解質が含まれているとされ、大量に汗をかいた状態で水だけを繰り返し補給すると、体内の電解質バランスがかえって崩れてしまう場合があるといわれています。
番組内でも紹介されていたように、脱水は「水分不足」と「塩分(電解質)不足」の両方が絡み合って起こるケースが多いとされ、水分と塩分をあわせて考える視点が大切だといわれています。
3. 電解質補給が必要になるタイミングの目安
日常的なちょっとした水分補給であれば、お茶や水で十分とされていますが、以下のような場面では、電解質を含む飲料が選択肢になるといわれています。
- 大量に汗をかいたとき:屋外での作業やスポーツなどで長時間汗をかいた場合、水分と同時に塩分も補うことが大切だとされています。
- 食欲が落ちて食事量が減っているとき:塩分や水分の多くは食事からも摂れているといわれており、夏バテなどで食事量が減ると、それだけで水分・塩分不足につながりやすいとされています。
- 下痢や嘔吐、発熱があるとき:体調不良時は体液の喪失が大きくなるため、経口補水液など電解質濃度が調整された飲料が使われることが多いとされています。
スポーツドリンクと経口補水液は目的が少し異なるといわれており、日常の水分補給や運動時にはスポーツドリンク、脱水症状がみられるときや体調不良時には経口補水液が使われることが多いとされています。どちらを選ぶか迷う場合は、薬剤師や医師に相談するのも一つの方法だといわれています。
4. 高齢者が「かくれ脱水」になりやすいといわれる理由
高齢者は「かくれ脱水」のリスクが特に高いグループとして紹介されることが多く、その背景にはいくつかの要因があるとされています。
- のどの渇きを感じにくくなる:加齢に伴い、口の渇きを感じる感覚そのものが鈍くなる傾向があるといわれています。
- 体内の水分保持量が減る:水分を多く含む筋肉量が加齢とともに減少するため、体全体の水分保持能力が下がるとされています。
- トイレを気にして水分を控えてしまう:「夜中にトイレへ行くのが不安」「頻尿が心配」といった理由から、自分の意思で水分摂取を控えてしまうケースがあるといわれています。
本人が「大丈夫」と思っていても、実際には水分が不足しているケースがあるとされているため、家族など周囲の人が声をかけたり、飲んだ量をさりげなく確認したりすることも予防につながるといわれています。
5. 室内にいても油断できない理由

「熱中症は屋外で起こるもの」というイメージを持たれがちですが、実は室内で起こるケースも多いと報告されています。節電への意識からエアコンの使用を控えたり、設定温度を高めにしたりすることで、室内の気温・湿度が想像以上に上がってしまうことがあるといわれています。
また就寝中は、本人が気づかないうちに汗をかき、水分が失われているとされています。朝起きたときや入浴後にコップ一杯の水を飲む習慣をつけることが、室内でのかくれ脱水対策の一つとして紹介されることがあります。
6. 今日からできる正しい水分補給の習慣とまとめ
ここまでの内容を踏まえ、日常生活で意識しやすいポイントを整理します。
- のどが渇く前に飲む:渇きを感じた時点ですでに水分不足が始まっている場合があるとされているため、こまめな先取り補給が大切だといわれています。
- 1日の目安量を意識する:飲み水として1日1.2リットル程度を目安にする、という考え方が紹介されることがあります。ペットボトル(500ml)なら2〜3本、コップ(200ml)なら6杯程度が一つの目安とされています。
- タイミングを決めておく:起床時・入浴後など、飲むタイミングをあらかじめ決めておくと習慣化しやすいといわれています。
- アルコール・カフェインの摂り過ぎに注意:これらの飲み物には利尿作用があるとされ、飲んだ以上に水分が排出されてしまう可能性があるといわれています。
今回ご紹介した内容は、番組で紹介された情報や一般的な知見に基づき構成しています。特定の症状や病気の治療・改善を保証するものではありません。だるさやめまいなど体調の変化を感じる場合や、症状が続く場合は、早めに医療機関にご相談することをおすすめします。
毎年やってくる夏の暑さですが、体調を崩さないためには「渇く前に飲む」「塩分も意識する」という2つのポイントを日頃から意識することが大切です。さらに、起床時・外出前・入浴後・就寝前など、水分を補給するタイミングをあらかじめ決めておくと、無理なく習慣化しやすくなります。
特に高齢者や小さなお子さんがいるご家庭では、本人がのどの渇きを自覚しにくいこともあるため、周囲の人が声をかけ合いながら水分補給を意識することも大切です。暑い季節を元気に過ごすために、毎日の小さな習慣をぜひ取り入れてみてください。
