スーパーで買い物をするたびに、「以前より会計金額が高くなった」と感じていませんか。
米、野菜、菓子、調味料、飲料など、日常的に購入する食品の値上がりが続くなか、注目されているのが「食料品の消費税を1%へ引き下げる」という政府方針です。
2026年7月30日、高市早苗首相は、現在8%となっている食料品の消費税率を、2027年4月から2年間に限り1%へ引き下げる方針を表明しました。
実現すれば、日本で消費税が導入された1989年以来、初めて税率が引き下げられる可能性があります。
ただし、2026年8月3日時点では、すでに法律が成立して実施が確定したわけではありません。政府案の取りまとめ、税制改正法案の提出、国会での審議と成立が必要です。
この記事では、「本当に来年4月から始まるのか」「すべての商品が1%になるのか」「家計はいくら助かるのか」といった疑問を中心に、制度のメリットと問題点を分かりやすく整理します。
この記事で分かること
- 食料品の消費税1%案が始まる予定時期
- 対象になる可能性が高い商品
- 外食、酒類、日用品の税率
- 家計でいくら負担が減るのか
- 消費者・店舗・日本経済へのメリット
- 財源や値下げ効果をめぐる問題点
- 2年後に税率が戻る際の注意点
食料品の消費税1%案とは?

現在、日本の消費税率は原則10%です。
ただし、酒類と外食を除く飲食料品には、家計への負担を抑えるため、8%の軽減税率が適用されています。
今回の案は、この8%を2027年4月から2年間、1%へ引き下げるというものです。
- 現在:対象となる飲食料品は8%
- 政府方針:2027年4月から1%
- 実施期間:2年間
- 終了予定:2029年春ごろに8%へ戻す想定
当初は「食料品の消費税を0%にする案」が検討されていました。
しかし、完全なゼロ税率にすると、レジや会計システム、請求書、インボイス制度への対応が複雑になる可能性があります。
そのため、事業者のシステム改修負担を抑えやすい案として、1%という税率が浮上したと報じられています。
現時点では「実施予定」であり、最終決定ではありません。
開始日、対象品目、財源、事業者への支援などは、今後の法案と政府の正式発表によって変更される可能性があります。
本当に2027年4月から始まる?
政府は2027年4月からの実施を目指していますが、実際に始めるためには消費税法などの改正が必要です。
報道時点では、政府が2026年8月上旬に制度案をまとめ、秋の国会へ関連法案を提出する方針とされています。
その後、国会で法案が可決・成立し、必要な準備が整って初めて実施できます。
与党内や野党からは、財源や制度設計について慎重な意見も出ています。
そのため、「2027年4月から必ず1%になる」と断定するのではなく、「政府が実施を目指している段階」と理解するのが正確です。
どの商品が1%になる可能性がある?
政府は、現在の軽減税率が適用されている飲食料品を対象にする方向で検討しています。
現行制度と同じ範囲が採用された場合、スーパーやコンビニなどで持ち帰る一般的な食品が対象になると考えられます。
対象になる可能性が高いもの
- 米、パン、麺類
- 肉、魚、卵
- 野菜、果物
- 牛乳、乳製品
- 冷凍食品、レトルト食品
- 菓子、アイスクリーム
- 調味料
- 水、茶、ジュースなどの飲料
- スーパーやコンビニの持ち帰り弁当
- 宅配や出前として販売される飲食料品
ただし、最終的な対象範囲は法案で確認する必要があります。
外食も1%になる?
現在の軽減税率制度では、飲食店の店内で食べる料理は「外食」として扱われ、10%の標準税率が適用されています。
今回も現行の軽減税率対象を基準にする場合、レストラン、居酒屋、カフェなどの店内飲食は1%の対象外となり、10%が続く可能性が高いでしょう。
コンビニやファストフード店ではどうなる?
同じ商品でも、持ち帰るか店内で食べるかによって税率が変わる可能性があります。
- 持ち帰り:食料品として1%になる可能性
- 店内飲食:外食として10%が続く可能性
これは現在の8%と10%の区分と基本的に同じ考え方です。
ただし、最終的な運用ルールは制度決定後の国税庁などの案内を確認してください。
お酒や日用品も1%になる?
酒税法上の酒類は、現在も軽減税率の対象外です。
そのため、ビール、日本酒、ワイン、焼酎などは、今回の食料品減税が実現しても10%のままとなる可能性が高いと考えられます。
また、洗剤、トイレットペーパー、衣類、家電、化粧品などの生活用品も食料品ではないため、基本的には10%のままです。 商品・サービス 現在 減税実施後の想定 スーパーで購入する食品 8% 1%の可能性 持ち帰り弁当 8% 1%の可能性 宅配ピザ・出前 8% 1%の可能性 飲食店の店内利用 10% 10%の可能性 酒類 10% 10%の可能性 洗剤・日用品 10% 10%の可能性
※上表は現行の軽減税率区分を基にした想定です。正式な税率は成立後の法令をご確認ください。
家計では実際にいくら安くなる?

消費税率が8%から1%になると、税抜価格に対する税負担は7ポイント下がります。
例えば、税抜1万円分の対象食品を購入した場合は次のようになります。
- 8%の場合:支払額1万800円
- 1%の場合:支払額1万100円
- 差額:700円
毎月の食品購入額別の目安
税抜きの食品購入額 8%時の税額 1%時の税額 1か月の差額 3万円 2,400円 300円 2,100円 5万円 4,000円 500円 3,500円 8万円 6,400円 800円 5,600円 10万円 8,000円 1,000円 7,000円
税抜きで毎月5万円の対象食品を購入する家庭なら、単純計算で月3,500円、年間では4万2,000円の負担軽減になります。
2年間続けば、合計8万4,000円です。
ただし、実際の節約額は、外食費、酒類、日用品の割合、店舗側の価格改定などによって変わります。
消費税1%のメリット
日常の買い物で効果を感じやすい
給付金は一度受け取った後に終了しますが、食料品の税率引き下げは、対象商品を購入するたびに負担が軽くなります。
申請手続きが不要で、年齢や所得にかかわらず、店頭価格へ反映されれば広い世帯が恩恵を受けられます。
所得が低い世帯の負担を和らげやすい
食費は生活に欠かせない支出です。
所得が低い世帯ほど、収入に占める食費の割合が大きくなる傾向があるため、食料品の減税は生活必需品の負担を直接軽くする効果が期待されます。
子育て世帯や人数の多い家庭への効果が大きい
家族の人数が多く、毎月の食料品購入額が大きい家庭ほど、税率引き下げによる金額上のメリットも大きくなります。
米、牛乳、肉、野菜などを多く購入する子育て世帯には、家計支援として分かりやすい制度といえるでしょう。
消費を下支えする可能性がある
食品への支出が減れば、その分を衣類、旅行、外食、教育、貯蓄などへ回せる家庭もあります。
家計に余裕が生まれれば、個人消費を下支えする効果が期待されます。
考えられるデメリットと問題点
国と地方の税収が大きく減る
消費税は、年金、医療、介護、子ども・子育て支援などの社会保障を支える重要な財源です。
食料品の税率を1%へ下げれば、国と地方の税収が大きく減少します。
政府は赤字国債へ頼らず、国の基金や外貨準備から生じる収入、歳出改革などを活用する考えを示しています。
しかし、2年間を通じて安定した財源を確保できるのかについては、今後も議論が必要です。
高所得者にも同じように適用される
食料品の税率引き下げは、所得に関係なく利用できます。
そのため、高所得者が高額な食品を購入した場合にも減税されます。
低所得者へ集中的に支援する給付制度と比べると、「税収を多く使う割に支援対象が広すぎる」という批判が出る可能性があります。
税率分がそのまま値下がりするとは限らない
税率が7ポイント下がっても、原材料費、輸送費、人件費、為替などの影響で本体価格が上がれば、店頭価格の下落幅は小さくなります。
例えば、税金は安くなっても、同じ時期にメーカーが価格を引き上げれば、消費者が感じる値下げ効果が弱くなる可能性があります。
店舗のシステム改修が必要
スーパー、コンビニ、飲食店、食品メーカーなどは、レジ、会計、請求書、価格表示、通販サイトなどを変更する必要があります。
1%という税率はゼロ税率より対応しやすいとされていますが、それでも準備には費用と時間がかかります。
特に小規模事業者にとっては、システム改修や経理処理が負担になる可能性があります。
2年後の値上げ感が強くなる
予定どおり2年間で終了し、1%から8%へ戻ると、対象食品の税率は一度に7ポイント上がります。
制度上は元の税率へ戻るだけですが、消費者にとっては実質的な値上げのように感じられるでしょう。
政府は終了時に低・中所得者向けの支援制度を設ける方針を示していますが、詳しい内容はまだ確定していません。
なぜ0%ではなく1%なの?

消費者から見ると、0%のほうが分かりやすく、負担も少なくなります。
一方で、税率を完全にゼロにすると、事業者の仕入税額控除やインボイス、会計処理の扱いが複雑になる可能性があります。
1%を残すことで、消費税の課税取引として扱いながら、家計負担を大幅に減らす狙いがあるとみられます。
また、0%から8%へ戻すよりも、1%から8%へ戻すほうが制度上の連続性を保ちやすいという考え方もあります。
飲食店にはどのような影響がある?
持ち帰り食品が1%、店内飲食が10%となった場合、両者の税率差は現在の2ポイントから9ポイントへ広がります。
同じ料理でも、テイクアウトのほうが税込価格を安く見せやすくなるため、持ち帰りを選ぶ消費者が増える可能性があります。
一方、飲食店では食材の仕入れに1%が適用されても、店内で提供する料理は10%になる可能性があります。
インボイス制度上は仕入税額控除を行いますが、経理処理や価格設定が分かりにくくなる事業者も出てくるでしょう。
外国人や旅行者も1%になる?
消費税は、原則として購入者の国籍や在留資格ではなく、国内で行われる取引に対して課されます。
そのため、日本に住む外国人や訪日旅行者が国内のスーパーなどで対象食品を購入する場合も、同じ税率が適用されると考えられます。
ただし、旅行者向け免税制度では、飲食・消費した商品や購入条件などに別のルールがあります。
食料品の1%化と訪日外国人向け免税制度は別の仕組みとして考える必要があります。
消費者が今から準備する必要はある?
現時点で、消費者が申請したり、特別な登録をしたりする必要はありません。
制度が成立すれば、原則として店舗側が新しい税率に対応します。
ただし、税率変更前後には、税込価格の表示方法やセール価格が変わる可能性があります。
「減税前だから食品を買い控える」と考える方もいるかもしれませんが、食料品は保存期限があります。
税率差だけを理由に必要以上の買いだめをせず、普段どおり必要な量を購入するのが現実的です。
よくある質問

食料品の消費税1%はもう決定しましたか?
2026年8月3日時点では、政府が実施方針を表明した段階です。
制度案の確定、関連法案の国会提出、可決・成立が必要なため、法律上の最終決定ではありません。
いつから始まる予定ですか?
政府は2027年4月からの開始を目指しています。
ただし、国会審議や事業者の準備状況などによって変更される可能性があります。
すべての商品が1%になりますか?
食料品以外の商品まで1%になる案ではありません。
現行の軽減税率と同様なら、酒類、外食、日用品、衣類、家電などは対象外になる可能性が高いでしょう。
お米や野菜も対象になりますか?
現行の軽減税率対象を引き継ぐ場合、米、野菜、肉、魚、卵、牛乳など、一般的な飲食料品は対象になると考えられます。
コンビニ弁当は1%になりますか?
持ち帰りとして購入する場合は対象になる可能性があります。
店内のイートインスペースで食べる場合は外食扱いとなり、10%が適用される可能性があります。
外食も安くなりますか?
現在の制度を基準にする場合、店内で提供される外食は対象外となる可能性が高いでしょう。
ただし、飲食店が独自に価格を変更する可能性はあります。
2年後は本当に8%へ戻りますか?
政府は2年間の期限終了後に8%へ戻す方針を示しています。
一方で、いったん下げた税率を選挙前などに戻せるのか疑問視する意見もあり、将来の政治・経済状況によって再び議論される可能性があります。
まとめ|家計には効果がある一方、財源と終了後が課題
政府は、現在8%となっている食料品の消費税率を、2027年4月から2年間、1%へ引き下げる方針を表明しました。
現行の軽減税率制度を基準にする場合、スーパーやコンビニで持ち帰る一般的な食品が対象となり、酒類、外食、日用品などは対象外となる可能性があります。
税抜きで毎月5万円分の対象食品を購入する家庭なら、単純計算で月3,500円、年間4万2,000円の負担軽減になります。
申請不要で幅広い世帯が利用でき、子育て世帯や食費の割合が高い家庭には、分かりやすい支援となるでしょう。
一方で、国と地方の税収減、社会保障財源、店舗のシステム改修、高所得者にも同じ減税が適用される点などが課題です。
また、原材料費や人件費が上昇すれば、税率が下がっても店頭価格が同じ割合で安くなるとは限りません。
2026年8月3日時点では法律が成立していないため、「来年から確実に1%になる」と決めつけず、政府の正式発表と国会審議を確認することが大切です。
記事に関する注意事項
本記事は、2026年8月3日時点の首相官邸、財務省、国税庁および報道機関の公開情報をもとに構成しています。
食料品の消費税1%案は、記事作成時点で関連法案が成立した確定制度ではありません。開始時期、対象品目、実施期間、財源などが変更される可能性があります。
実際の税率や事業者の対応については、政府、財務省、国税庁などが今後公表する最新情報をご確認ください。
参考情報
- 首相官邸「高市内閣総理大臣記者会見」
- 首相官邸「英国・イタリア訪問及びG7サミット出席等についての会見」
- 首相官邸「第221回国会における施政方針演説」
- 財務省「軽減税率制度について」
- 国税庁「消費税の軽減税率制度」
※掲載内容は2026年8月3日時点の情報です。制度の最終決定後、内容を更新することをおすすめします。
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